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社会人スタート時に背負っていた、1,000万近くの奨学金を完済したお話
社会人スタート時、奨学金とクレジットカードのキャッシングローンを合わせて、1,000万ぐらいあった借金を完済したので、備忘録として投稿しておきます。
奨学金の返済方法に関しては、仮想通貨で利益が出たとか、IPOで儲けたとか、特別に何かを行ったわけではなく、地道に毎月支払っていたという内容なので、残念ながらエンタメとしては特に面白みはないです。念のため><
また、既存の奨学金制度に物申したり、特定の金融商品を推奨するのではなく、あくまで個人の奨学金完済までの記録になります。
なぜ奨学金を借りていたの?
学費補填および学生生活の補助のためです。
学生時代、父親は飛行機の部品工場で勤務していたのですが、9.11のテロがあり、当時の航空産業を直撃しました。
家庭の収入が激減したことに加え、家族が国の指定難病を発症したりで、一浪の後、第一志望の私立大学には受かったものの、家庭にお金がほとんどない状態だったので、奨学金を一部どころかほぼほぼ全額借りれる分借りていたという背景になります。
奨学金は、実家から大学に通う定期券や教科書購入など、当時の自分としては非常に助かる収入源ではありました。ただ、奨学金やバイトだけでは学生生活を過ごすには足りなかったので、複数のクレジットカードでキャッシングローンを借りて、学生生活を行っていました。
飲み会には行っていましたが、ギャンブルとかはやってなかったので、一応それなりに健全な学生生活だったとは思います^^
社会人スタート時のふりかえり
そんな経緯で、大学および大学院の奨学金とキャッシングローンを合わせて、約1,000万円近くの借金を背負って社会人をスタートすることになりました。
就職活動をする際、奨学金の月額返済だけで約4万/月ぐらいかかりそうということがわかっていたので、初任給が高めの企業や、家賃補助がある企業かを意識して就職先を探していました。
若い頃は、お金を使ってでも様々な経験をしておいた方がよいと思うのですが、突発的な実家への仕送りもあったので、日々の出費は最小限に抑えるといった生活を最優先に考えていたなあというのを覚えています。
同期が先輩や顧客と飲み会に行ったりとかで人脈を広げていたり、最新の技術書やビジネス書を読んでいる中、自分は帰りにスーパーの見切り品を探したり、仕事帰りや週末にブックオフで立ち読みするといった行動をすることが多く、「もう少し自身の経験を積むことにお金が使えたらなあ」と考えながら日々を過ごしていました。
1つめの第二種奨学金完済時のふりかえり
9年ぐらいかけて、キャッシングローンの返済と学部時代に借りていた第二種奨学金を完済しました。今思い出しても、ここにたどり着くまでが一番しんどかったなあと思います…
借金の返済計画としては、金利を考慮して、
- クレジットカードのキャッシングローン × 3
- 第二種奨学金 × 2
- 第一種奨学金 × 1
という順序で返済していこうと考え、余裕がある月に繰上返済を行っていました。
ただ、20代後半になると、友人からの「結婚式に参加してもらえるかな?」という突発的な結婚式出席イベントが発生することが多く、「繰上返済し終えた!」と思っても、またしばらくキャッシングローンに頼るという生活を繰り返していました。
そんな中でも、自分のお金で自作PCやMacをローンで買うことができるぐらいには余裕ができてきて、エンジニアとして技術検証ができる環境を少しずつ整えることができていったのは嬉しかったです。
ただ、自身のスキルアップを行うため、異業界の転職を考える際にも、
- 「年収下がっても生活は大丈夫なのか?」
- 「給料がまた上がる可能性はあるのか?」
- 「転職に失敗したら、この借金は返済できるのか?」
- 「家族へ定期的な仕送りはできるのか?」
といったことを考えながら転職活動をしてたので、かなり恐怖を感じながら転職活動をしていたなあと思います。
2つめの第二種奨学金完済時のふりかえり
11年ぐらいかかって、有利子の第二種奨学金を返済し終わりました。
この頃になると、仕事ではマネジメント業務を行ったりして、毎月の給与自体もそれなりに余裕が出てきていました。
第二種奨学金を一つ完済すると、奨学金の月額返済額が2万円代になったので、毎月の固定費が圧倒的に楽になったと感じることができました。あと、友人の結婚ラッシュも落ち着いた頃だったので、毎月の出費が落ち着いたというのも大きかったです。
生活に余裕が出てきたので、生活防衛資金となる現金を数ヶ月分貯金でき、少額ではありますが、投資信託を購入してみたりして、少しずつでも自分の資産が増えていくという経験を積めたのはよかったなと思います。
ちなみに、同時期に定期預金もやってみたのですが、資産の増加速度があまりに悪く、自由に動かせないお金になってしまうので、すぐに解約しました。
最後の第一種奨学金完済時のふりかえり
15年ぐらいかかって、最後の無利子奨学金である第一種奨学金を返済し終わりました。
返済するだけなら、もう少し早めに返済できたと思うのですが、この時期には月額返済額が9千円弱程度になっていたのと、残るは無利子の第一種奨学金のみだったということもあり、無理に繰り上げ返済しなくてもいいかなと思い、しばらく放置していました。
ただ、自分が40歳を迎える年になり、社会人がスタートしたときに、「40歳までに奨学金を返済し終える!」という、自分の当初の目標を改めて思い出し、予定通り40歳を迎える前に繰り上げ返済で残りの奨学金を完済しておきました。
また、この辺りの時期では、iDeCoや積立NISAといった制度も勉強しながら、少し長期の資産運用も考えられるようになりました。そして、改めてお金の勉強がてら、改めてファイナンシャルプランナーの資格も取ってみました。
FP試験のふりかえりについてはこちら
毎月の手取りの内、月額返済額の割合が大きい間は、無理にiDeCoや積立NISAをやる必要はないとは思いますが、投資信託を購入して十年近く放置していたら、数万円の利益が出ていたりしたのを実感できたので、社会人の早い時期から小さな投資経験を経験しておくのはよいのかなと思います。
奨学金を完済してみて
奨学金は、借りなくてよいなら特に借りなくてもよいと思います。
ただ、金利はクレジットカードのキャッシングローンよりは明らかに低い(第一種奨学金に関しては無利子)ので、人生の選択肢の一つとしては頭の片隅にあってもいいのかなと。
ただ、私のように15年ぐらいで返済できる人もいれば、もっと長い期間返済し続けている人もいます。
地道に返済する人は、奨学金完済までの道のりはすごく遠いし、気持ち的にもちょっとしたことで追い込まれやすいんだなあというのを少しでも感じてもらえればと思い、備忘録がてらこれまでの経緯を書いてみました。