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Classiに入社して、5年目を迎える年になりました
在籍ブログがてら、自身のここ 5 年間を振り返ってみます。
Classi に入社して、今年の 4 月で 5 年目。社内の正社員の中では、それなりに古参メンバーになりました。
5 年という区切りにはまだ少し早いのですが、年が明けたのでこれまでやってきたことを振り返ってみます。
2017 年
- 【主な業務】
- AWS エンジニア、ISMS 事務局メンバー、エンジニア部署の副組織長
- 【主なコミュニケーション先】
- エンジニア、ISMS 事務局
2017 年の社外向け登壇資料
2017 年に参考にしていたもの
- 社内規定類(就業規則、業務分掌規定、決裁規定など)
- ISO27001(ISMS),ISO15001 の要求事項
- 文科省の教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン
当時はビルの案内プレートに社名もなくて、面接したときも「あれ?この会社で合ってる?」とか思いながら面接をしたのを覚えています。
入社直後にアラートが多かったので、「ちょっと多いかな?」ぐらいの感覚で今の会社での業務をスタートさせましたが、しばらく業務を行うにつれ、学校業界は 4 月の利用が一番負荷が高くなることがわかったり、不要な AWS リソースを見つけ次第刈り取るといったことを行っていました。
2017 年の気づき
前任のインフラ運用者が退職された後の入社だったため、
- 運用しているシステムがどのシステムにつながっているのか?
- 業界特性上、どのようなシステム制約条件があるのか?
- システムのどこを自分の権限で変更してよいのか?
が不明瞭になっており、Google で検索できるものよりは社内のルールおよび業界内のポリシーや顧客説明文書を中心に眺めていた覚えがあります。
特に、3.に関しては、2017 年 10 月に出されてから、その後も定期的に追っている1ので、業界知見を深めるきっかけとしてはよかったなあと思います。
また、前職まではインフラチームメンバーのケアや AWS や SaaS 費用を中心に見ていたのですが、エンジニア組織全体への視野の広がりを感じていた時期でした。
2018 年
- 【主な業務】
- AWS エンジニア、ISMS 事務局メンバー、エンジニア部署の副部長、データ活用新設部署の立ち上げ責任者
- 【主なコミュニケーション先】
- エンジニア、データ関連職種、ISMS 事務局、経営層
2018 年の社外向け登壇資料
2018 年に参考にしていたもの
- データサイエンティスト協会のスキルチェックリスト
2018 年に参考にしていた書籍
ISMS の審査を受け、改めて自社の運用ルールが見えてきたので、AWS エンジニアのタスクは後任の SRE メンバーにも任せられるところが見えてきた時期。 この時期は、社内でデータ活用の話題がよく行われていたのですが、データ分析基盤やデータ分析要件が整っておらず、社内の認識合わせに各種資料を作成していました。 AWS エンジニア業としては、前年で一部機能の ECS 化対応などを行っていましたが、この辺りの時期は Glue や Embulk などのデータパイプラインまわりの技術を中心に見ていました。
2018 年の気づき
AWS エンジニアから新設部署の責任者になるに従って、P/L の数項目だけに着目しているだけでは駄目で、事業全体の数値感をキャッチアップしようと意識していた時期。
この時期は、社内のエンジニアリソースだけで開発しきれない業務委託費用や社員の採用計画を含めて、2,3 年後の計画まで経営層と話す必要があったため、1.の資料(当時は ver2 が出たぐらい)は経営会議などの資料作成の随所に盛り込んでいました。
正直、この時期は担っていた役職が多く、自身が受け持っているメンバーに対するケアはもう少しできるところはあったなあというのが反省点ではありますが、ちょうどこの時期に面接&入社してくれた人達が今社内の複数のチームで活躍されているのでとても心強いなあと感じています^^;
2019 年
- 【主な業務】
- 小会社取締役、新規事業部署の立ち上げ責任者、新規事業プロダクトの価値探索
- 【主なコミュニケーション先】
- 小会社従業員、教育委員会、小中学校の先生
2019 年の社外向け登壇資料
2019 年に参考にしていたもの
- 新指導要領(文科省)
- 総務省などの各種統計資料
2019 年に参考にしていた書籍
戦略的パートナーシップを締結した EDUCOM という会社に、取締役として参画したというのが自身にとっても大きな節目だった年。
Classi よりも事業年数が長い会社だったので、従業員の方々と話すときには、親会社や小会社という枠ではなく、対等なビジネスパートナーであるというのを常に意識してコミュニケーションを行っていました。
また、小会社とのシナジーを創出するために、全国の教育委員会や学校を回っていたので、自身の社会人生活で久々にスーツを活用した時期になりました。
2019 年の気づき
小会社の技術スタックは、モダンというには大分遠い技術スタックであったため、クラウド技術を現場へインプットすることや、サイバーセキュリティ対策などの技術課題共有を経営層に行っていました。
この時期に、新規プロダクトを検討する中で、全国の学校を訪問する機会があり、学校での課題や教育委員会からの生の声を聞けたのはすごくよい経験だったと思います。
エンジニア業務としては、AWS からは少し距離を取った年にはなりましたが、新規プロダクトのモック作成を兼ねて、Rails を書く機会は増えたので、自身の Rails に関する知識をアップデートするのにはちょうどよかった年でした。
2020 年
- 【主な業務】
- 小会社取締役、インシデント対応
- 【主なコミュニケーション先】
- エンジニア、自社セキュリティ部署
2020 年の社外向け登壇資料
特になし
2020 年に参考にしていたもの
- 自身が離れていた直近 2 年間の GitHub コミット履歴や社内ドキュメント
2020 年に参考にしていた書籍
この年は、Classi で大きなインシデント2があったので、新規事業の検討を行うことが中止になり、AWS エンジニアとして久々に現場で障害対応を行った年になりました。
このあたりの対応状況については、当時のエンジニア組織のツートップが話している3ので、本記事では割愛します。
また、この時期に、エンジニア部署のメンバーと 1on1 を行う試みがあり、直接のレポートラインとは別でメンティーの方と話す機会ができたのは、自身にとってもよい刺激が得られる施策だったなと思います。
2020 年の気づき
この時期は、コロナによる緊急事態宣言などがあり、社内コミュニケーションについても改めて考える必要性が発生した年になりました。
リモートワークができるのかできないのかという議論をしている中で、完全にリモートワークに切り替えざるを得ないという状況が生じたので、過去に読んだ色んな書籍を読み直していたりしました。
オフィスでの勤務がなくなり、気軽にチーム横断で雑談/相談できる場所が少なくなったため、Slack に雑談用のチャンネルを作成したのは、当時に手軽に行えた試みとしてはよかったのではないかなと思います。
2021 年
- 【主な業務】
- 小会社取締役、新規事業部署の副組織長、新規事業のプロダクト開発
- 【主なコミュニケーション先】
- 小会社従業員、エンジニア、新規事業部署メンバー
2021 年の社外向け登壇資料
特になし
2021 年に参考にしていた書籍
前年のインシデント対応を踏まえ、Classi 本体とは別に、小規模な新規事業を行なうチームを編成することになり、そのメンバーと新規事業のプロダクト開発を行うことになった年。
新規事業のエンジニア全体をマネジメントする立場にはなりつつ、AWS エンジニアや少し Rails を書いたりすることができた年で、エンジニアとしては知識を諸々アップデートできた一年だったなと思います。
個人的には、2019 年から小会社の方々と信頼関係を構築し、2021 年に両社が同じ方向に進んでいるということがやっと世の中に出た嬉しい年になりました。
2021 年の気づき
昨年は、ひたすら新規事業の不確実性と向き合った一年でした。
想定していたスケジュールとはかなりずれていますが、信頼できるチームメンバーに恵まれたので、ギリギリ乗り越えていけていってるかなと思います。
マネジメントまわりの試みとしては、エンジニアだけのマネジメントというよりは、新規事業に関わるメンバーがどう成長できるかということを意識して、スクラム開発のツール紹介や、会社の評価制度とは異なるピアフィードバックの場を設けたりしました。
社外向けの登壇資料はないのですが、プレスリリースとして新規プロダクトが発表された4ので、後は今年のリリースに向けて今のチームメンバーとともに頑張っていければいいなと思った一年でした。
まとめ
退職ブログや転職ブログはちらほら見ますが、数年間在籍した在籍ブログというのがもう少しあってもいいかなと思ったので、これまでのことを書いてみました。
2022 年は今携わっているプロダクトに専念することになりますが、まずは安定したリリースができればと思います。
Footnotes
-
本ブログ内の文科省の教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン改訂の歴史を追ってみたを参照 ↩
-
Classi コーポレートサイトのより安全にご利用いただけるようになった Classi のご報告と今後の取り組みについてを参照 ↩
-
Developer Summits 2021 の全国一斉休校によって教育プラットフォームの「Classi」に起こった大障害 〜サービス・組織をどう変化させたのか〜を参照 ↩
-
Classi コーポレートサイトのClassi が来年度から新規に公立小中学校領域でのサービスを開始を参照 ↩